2021.11.28 メッセージ内容

「クリスマスの前に」 ルカ1:5-14

その子はあなたにとって、あふれるばかりの喜びとなり、多くの人もその誕生を喜びます。(14節)

イエス・キリストの誕生は、旧約聖書の中で繰り返して預言されていました。また新約聖書でも、その誕生の備えとなる記事をルカは記しています。それは、バプテスマのヨハネの誕生物語であり、以下の3つの点で、救い主キリストの誕生との類似性を私たちに教えています。

 一、主の使いの告知

ザカリアは年配の祭司であり、一生に一度、あるかないかの尊い務めを、神殿の中でしていました。そのとき、主の使いが現れたのです。きっと、ザカリアにとって予想外の出来事だったでしょう。祭司という立場にあったザカリアでさえ、恐怖に襲われました。主の使いの言葉を聞いた彼は、「私はそのようなことを、何によって知ることができるでしょうか」と返事しました。何か、そのことを確信できるものを求めたのです。

1章後半では、マリアにも同じ主の使いが現われています。まだ20歳にもなっていなかったと推測されるマリアが戸惑うのも当然です。このように、神が重要なことをなされる場合、それまでの常識では理解できない方法をとられます。マリアは、エリサベツからこの不思議な出来事を聞いていたことが、36節に記されています。

二、奇跡的な妊娠

ザカリアは60歳ぐらいだったと推測されています。妻のエリサベツも同じような年齢だったでしょう。普通なら、妊娠することなど考えられない年齢です。ところがみ使いは、生まれる子の性別だけでなく、その子の名前や使命まで、ザカリアに告げました。子どもを待ち望んでいたザカリアでしたが、み使いの言葉をそのまま信じることは、決して簡単ではなかったでしょう。

しかし、老齢になって子を宿すということは、アブラハムとサラ夫妻にもおこった出来事です。ザカリア夫妻は、このことを知っていたはずですので、最終的にはみ使いの約束を信じることができました。それと比較して、マリアの場合は、自然現象としては決して起こりえない、処女懐胎という出来事でした。それを受け入れられたのも、エリサベツの話を聞いていたからでしょう。

三、信仰の応答

み使いは「その時が来れば実現する私のことばを、あなたは信じなかった」とザカリアに言いました。確かにその時ザカリアは信じることができませんでしたが、自分が経験したことを妻エリサベツに筆記して伝えたに違いありません。しばらくして、み使いの語ったとおりに、エリサベツは身ごもります。そのとき、彼女は「主は今このようにして私に目を留め」てくださったと感謝したのです(24節)。夫ザカリアも同様でした。

エリサベツはマリアの親類でした。マリアが、この半年後に、主イエスを身ごもるという歴史上最大の奇跡を経験するのは、エリサベツからこの一連の話を聞いた後であることに注意してください。ザカリアとエリサベツという夫婦がいたからこそ、マリアは神のご計画の中心人物としての使命を果たすことができたのです。クリスマスの前に、すでに歴史は動いていました。

処女懐胎という、歴史上たった一度の出来事がおこるために、神はこのように備えておられたことを伝えるため、ルカはこの記事を書きました。この備えがあったゆえに、マリアという一人の少女が「おことばどおりこの身になりますように」と告白できたのです。今も、私たちが主の働きに加わる前に、神様は備えてくださっています。