2021.9.12 メッセージ内容

「終わりに至るまで」 使徒28:23-31

ある人たちは彼が語ることを受け入れたが、ほかの人たちは信じようとしなかった。(24節)

「使徒の働き」は、不思議な終わり方をしています。軟禁状態にあったパウロは満2年間、神の国のことを宣べ伝えたのですが、その後のことは書かれていません。それは、福音宣教は現在まで続いていることと、世の終わりに至るまで続くことを、象徴的に示すためなのです。

一、宣教が続く

ローマ皇帝による裁判を待つ間、パウロが自費で借りた家には多くの人々が出入りしていました。彼はユダヤ人を招き、旧約聖書に基づいて、ユダヤ人が待ち続けたメシアはイエスであることを知らせようとしたのです。自分が回心して以来、パウロはまず初めに、神の選びの民であるユダヤ人にキリストの福音を伝えたいと願っていたからに他なりません。

パウロは、律法(あるいは道徳)を守ることによって救われると、固く信じていました。それと同じ考えを持つ人は、今でも世界にたくさんいます。しかし、正直に考えてみて、そんなことができるのでしょうか。できないことを認めることのほうがもっと大切なのです。できないからこそ、神は律法を守ることではなく、神の憐れみを信頼するという別の道を示されました。

二、反対が続く

しかし、残念ながら、ユダヤ人の多くは信仰による救いを受け入れませんでした。これは、旧約聖書の中で、イザヤが預言していたことにほかなりません。彼らは、神の憐れみの約束を受け入れることができなかったばかりか、それを宣教するパウロを迫害し続けていました。パウロは、神の律法を無視する輩と誤解し、彼の存在を認めることができなかったのです。

この状況は現在も変わりません。自分の良い行いや自分の才能で生きていけると思う人は、「聞くには聞くが、決して悟ることはない」のです。彼らは、神の憐れみを受け入れようとはせず、かえって反対します。日本に福音が伝えられてもう150年以上たちますが、いまだに福音は誤解されています。反対する人たちも少なくありません。それでも、あきらめないで宣教を続けることができるでしょうか。

三、発展が続く

パウロは、2年の後に釈放されたと推測されています。そして、以前に伝道した地域を再訪し、後継者のテモテやテトスを育てました。彼らに送った手紙も新約聖書に含まれています。どんな迫害があろうとも、宣教は続けられたゆえに、全世界に福音は伝えられたのです。パウロはその後再び捕らえられ、紀元67年ころ、ネロ皇帝の迫害で殉教したと伝えられています。

エルサレムから始まった福音は、トルコ・ギリシャ・ローマ、そしてヨーロッパ全土へと広がっていきました。そして21世紀には、全世界に伝えられるまで、教会は発展を続けました。しかし、その背後に、多くの苦難があったことを忘れてはなりません。その背後には、苦難を乗り越えた勇敢な信仰者がいたのです。今でも、その志を受け継いだ人々が存在します。

「使徒の働き」は、主が再臨される終わりの日に至るまで続きます。私たちは、限られた期間、限られた地域で生きるものでしかありません。しかし、2000年間続いてきたこの福音宣教を、しっかりと続けていきましょう。個人伝道も大切です。でも、普段の生活で神の恵みに感謝することこそ、だれでもできる伝道なのです。