2021.8.8 メッセージ内容

「ピリピでの伝道」 使徒16:11-34

主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたもあなたの家族も救われます。(31節)

パウロの一行はキプロスとトルコの伝道を終えてアンティオキアに一度戻り、その後、第二回伝道旅行に出発します。トルコを再訪してから、有名なトロアスから船出して、現在のヨーロッパに渡って最初の伝道地がピリピの町でした。ここで少なくとも3人が主イエスを信じるのですが、皆、違った背景をもつ人々でした。

一、リディアの場合

リディアは、今でいうキャリアウーマンでした。ユダヤ人ではありませんが、唯一の神を信じており、ユダヤ人の習慣に則って川岸で祈っていました。そこでパウロの話を聞いた彼女は主イエスを素直に信じ、家族ともどもバプテスマを受けたのです。「主を信じる者」だと公言するほど豪快な彼女は、その後ピリピ教会の大黒柱になり、パウロの伝道を支えたと思われます。

彼女は、多分年配で、仕事にも信仰にも熱心な人物で、旧約聖書にも精通していたと思われます。ユダヤ人ではなかったゆえ、信じるだけで神の民にしていただけることは、大きな恵みと受けとめたのです。信じるとは、「主に対して真実な者」となることです。しかし、神の真実な約束に信頼し、真実に従っていくことは、学問の有無、身分の高低に全く関係しません。

二、女奴隷の場合

「占いの霊につかれた若い女奴隷」は、リディアとは対照的な人物でした。異教的な背景をもつこの女性は、霊的な直観力で、パウロが「救いの道」を伝えていることを認識し、伝道を妨害しようとしたのです。困り果てたパウロは、占いの霊に対して「この女から出ていけ」と命じます。彼女は直ちに悪霊から解放され、パウロたちに従っていくことになったのです。

彼女は、多分貧しい家庭に生まれ、何かのきっかけで占いをするようになったのでしょう。昔も今も、将来が不安な人は占いに走ります。特別な才能をもっている人の占いは、よくあたるかもしれません。しかし、背後で人を操ろうとする悪の霊があることを聖書は警告します。彼女を商売道具のように扱っていた人がいたことも事実です。「真実な神」と対照的な「不真実な人」がいることを忘れてはなりません。

三、看守の場合

女奴隷の主人たちは、金儲けの望みがなくなったので、パウロたちに無実の罪を着せて訴え、投獄します。しかし、パウロとシラスは牢獄のなかでも主に対して真実でした。静かに祈り、神を賛美していたのです。看守はそれを聞いて驚いたに違いありません。そのとき突然地震が起こり、牢獄の扉が開き、囚人の鎖が外れてしまいます。でもパウロたちは脱獄しようとはせず、自害しようとした看守を引き止めました。

当時、脱獄者がいるなら、看守がその罪の身代わりにならねばならなかったそうです。死ぬべき定めだった看守が、一命をとりとめたのはパウロの真実な行動でした。看守が自分から「救われるためには、何をすべきですか」と言ったのは、パウロたちの言葉と行動が、当時の人々と全く違っていたからでしょう。

3人とも、真実な主に真実に従っていたパウロたちを見て、「真の神」を知りました。現代も、私たちの周囲にいる人々に、真実に対応したいものです。特に、家族に対して真実に生きるなら、家族皆に主の祝福が及ぶのです。真実な主は、必ずそのことをなして下さいます。