2021.7.25 メッセージ内容

「福音が広がるために」 使徒13:1-12

「わたしのためにバルナバとサウロを聖別して、わたしが召した働きに就かせなさい」。 (2節)

初代教会にはさまざまな迫害がありました。でも、それによってエルサレムから散らされた人々が、福音を広げていったのです。アンティオキアはエルサレムから約600kmも北にある町ですが、この町に生まれた教会にはバルナバや彼に連れられてきたサウロなどがいて、異邦人にも福音を語り始めました(11:19-26)。

一、祈りを基盤として

この教会には、人種も身分も違ったさまざまな人々が集まっていました。迫害者だったサウロを受け入れることができたのは、そのような多様性を認める姿勢があったからでしょう。この教会は、事あるごとに断食して祈っていたようです。すでに旧約聖書の時代から、祈るときに断食するのは習慣でした。これは「物絶ち」という宗教的な苦行ではなく、祈りに集中するための手段の一つだったようです。

いつの時代でもどの地域でも、教会は祈りを基盤として歩んできました。祈りによって私たちは、神が何をさせようとしておられるかを探り求めます。その結果、祈る者たちの心は一つになります。個人的な祈りの時も大切ですが、具体的な祈りの課題を挙げて、皆で祈ることもまた大切なことなのです。

二、聖霊の声に従って

そのように祈っている時でした。聖霊が「バルナバとサウロを、わたしが召した働きに就かせなさい」と言われたのです。教会の中心的な働きをしていたと思われるこの二人を送り出すことは、この教会にとって大きな損失のように思われたかもしれません。しかし彼らは聖霊の声に従い、「断食して祈り、二人の上に手を置いてから送り出した」のです。

聖霊の声を聞くとはどういうことでしょうか。それは聖書を読むときに最も顕著に示されます。時には、直接自分の心に響いてくる声もあるでしょうが、それも聖書のことばに反するものではありません。しかも、時には自分の願いや考えと違う場合もあるのです。「御霊の言えるごとくせよ。心をかたくするなかれ」という聖歌があります(414番)。自分の願いではなく、聖霊に従うことによって福音は広がります。

三、具体的な方策をもって

二人は何の考えもなしに宣教に出て行ったのではありません。①バルナバの生まれ故郷であるキプロスを最初の宣教地としました(4:36)。そこには親戚や知人が多くいたからです。②若手の有望株であるヨハネ(別名マルコ)を助手として連れて行きました。次の世代を育てることは常に考えておくべきことです。③地方総督セルギウス・パウルスの招待に喜んで応えました。有力者に影響を与えるためです。

具体的な宣教方策を考えることは不信仰なことではありません。聖霊の声に従った上で、あらゆる情報を用いて、最善の道を探るのです。例えば、コロナ禍の中でも可能な宣教方策はどんなものかを考えるようなことです。時と場合にふさわしく、また自分たちに委ねられている賜物を生かす道が必ずどこかにあります。

祈りを基盤とし、聖霊に導かれ、そして宣教法策を考える。これらは2000年間、福音を広げていくために教会がしてきたことです。失敗したことも何度かありましたが、悔い改めて再出発しました。今の私たちも主の知恵をいただき、福音宣教に励む者となりましょう。